クチナシはあかね科の常緑樹で、樹高は約2〜3メートル。初夏に白い花を咲かせて、秋に赤茶色の実がなります。
熟したら割れそうな見た目ですが、決して口を開かないところから、クチナシの名前がつきました。
くちなしの実は茶色の皮で、中身は黄色の果肉があります。その黄色の果肉は、食品を着色するための食品添加物として使用されています。香りはほとんどないので、専ら色付けのために使われます。食品の他にも、染物、薬用に使われています。、生薬としては精神安定剤や胃腸炎の薬として処方されてきました。
お正月におせち料理として食べる栗きんとんの黄色がクチナシの実です!
クチナシの実は山梔子(さんしし)と呼ばれていて漢方薬としても使われています。効能としては消炎、解熱、鎮静、止血などがあげられていて、黄疸や目の充血、喀血などに用いられます。
クチナシの実にはあまり香りがありません。また味もほとんどしないため、純粋に食品や布の染料として用いられてきました。
料理用の着色には、さつまいもやたくあんなどを黄色に着色する他、クチナシの実を発酵させることで青色も得られるため、和菓子の青色などにも用いられてきました。食品に使われている場合にはクチナシ青色素などの表示があるので分かります。
この黄色の着色成分はクロシンと言われ、同じ黄色の着色に使われるサフランにも含まれている成分です。
くちなしの実は、そのままでは使うことはできませんが、砕くことによって色々なものを染めることができます。食品に使うことはもちろん、布なども染めることができるので、タオルやハンカチ、服などを染めてリメイクすることもできるそうです。
クチナシ/梔子
学名/Gardenia jasminoides
アカネ科クチナシ属の常緑の低木
分布 日本では静岡県以西・四国・九州、南西諸島の森林に自生