カヤックで遡上しながら、川の中州に生えている木に鳥が2、3羽集まって、何かついばんでいるのを、見かけました。
何を食べているんだろう?
気になったので、ティータイムの後、中州を歩いて確認すると、なるほど!ヤマモモの実が沢山なっていました。
和名の由来は、山に生えて、桃のような実をつけることから。
20mほどになる高木で、直径が1mに及ぶものもあり、幹は太くなると灰白色の樹皮に覆われ、多数の楕円形の皮目を持ちます。
葉は革質、ツヤのない新緑で、10センチ前後の長楕円形か、やや倒卵形。密に互生し、多くが、枝先に「束生」といい、丸く束に広がってつきます。
この葉っぱの脇から赤い小さな花が穂のように咲き、結実すると真っ赤な果実が付きます。
ヤマモモの実は、生色でも美味しいし、ジャムやお酒にもなります。
高知県などでは、塩を振りかけて、酒の肴に生で食べたりもするそうです。
甘酸っぱい味には脳のエネルギー源となるブドウ糖を含み、疲労回復やストレスの緩和、また赤い実のアントシアニンの成分から眼精疲労の予防や回復に期待されるほか、抗酸化作用があり、生活習慣病にも効能があると報告されています。
樹皮は古くから塩水に強いことから、漁網の染料として用いられ、媒染剤にミョウバンを使うと、黄色。鉄塩を使うと、焦げ茶色になるそうです。
また、ヤマモモの根には「根粒菌」と呼ばれる共生細菌がついていて、根粒菌が窒素を固定するため、比較的栄養の少ない土壌でも生育できるとされています。
ヤマモモ/山桃
学名 Morella rubra
ヤマモモ科 ヤマモモ属
分布 関東以南の低地や山地に自生。本州南部以南では、海岸や低山の乾燥した尾根など、痩せ地で森林を構成する重要樹種の1つ。